会社近くのバイパスで信号待ちをしていると、
車道を歩いているおじいさんが近寄ってきました。
頭を下げながら、「ちょっと乗せてくれないか?」
ヒッチハイクされるなんて初体験なんですが、
「いいですよ。どこまで」
「田切まで」
「え!田切」
田切まで行く用事はなかったのですが、高齢だし、
車道を歩いているくらいだし、しかも、もう乗ってるし、
「こんな日に出歩いちゃダメですよ。どちらへいらしたんですか?」
「昭和病院、近所の人に仕事に行くついでに送ってもらった」
とのこと。電車が動いていないので、歩いて帰るところだったそうです。
多分相当歩いたはずです。狭心症とのこと。袋いっぱいの薬を持っていました。
話していくと、おじいさんは昭和11年生まれ。死んだ父と同い年です。
父の名前を言うと、うっすらですが覚えていました。
父の子供の頃を聞きましたが、組が違うのでよく覚えていないとのことでした。
そんな話をしているうちに、家の近くまで行きました。
「ここでいいよ。ありがとう。」おじいさんは降りて行きました。
名前は聞きませんでした。
ちょっと良いことをした気分になりました。
中原
おじいさんは、信号待ちをする二台目の自分によってきました。
私は、人の良さそうな顔をしているのでしょうか?